今年は大阪桐蔭の春夏連覇で幕を閉じた高校野球の全国大会。
100回記念大会という事で甲子園に出場出来る高校も増え、その分試合数も増加した事から、甲子園大会史上初の入場者数100万人超えを達成しました。
少子化の影響と、他スポーツの盛り上がりにより、野球人口の減少と野球人気の低迷が言われていますが、高校野球の甲子園大会だけは人気が衰える事無く、観戦チケットを手に入れる為に何時間も前から並ばなければいけないほどです。
今年の夏の大会の決勝戦では、前日の夜から並んでいる方もおられたみたいです。
なぜこれほどまで高校野球が人気なのか、人気の理由とこれからの高校野球に求められる改善点を考察しました。
高校野球が人気の理由
- スターがメディアによって作り出される
- 各都道府県に1校が出場する(夏の大会)
- 負けたら終わりの一発勝負
- 全力プレー
甲子園大会には必ずスターが誕生します。
今年は金足農業の吉田投手や、大阪桐蔭の根尾選手・藤原選手がそうでした。
NHKで全試合生中継され、夜のスポーツニュースなどでは感動エピソードとともに試合結果が放送されます。
そうして、今まで数多くのスターが誕生してきました。
最近では、ハンカチ王子や清宮選手などもそうでしたね。
高校野球の人気はメディアによって作り出されたとも言えます。
春の甲子園大会も人気ですが、やはり夏の甲子園大会にはかないません。
夏の甲子園大会は「負けたら終わり」
高校野球生活の終了、大学野球や社会人野球、プロ野球に進める人は高校球児の中の数%です。
小さい頃からやっていた野球がまさしくその瞬間に終了する、
だからこそ、球児たちも一球一球が全力であり、ここで力尽きても構わないという気迫が、見ている人に感動や勇気を与えるのだと思います。
私も何度か夏の甲子園大会に観戦に行きましたが、球児たちの全力プレーに涙したこともあります。
自分も頑張らなくちゃ!と奮い立たせてもらった事もあります。
高校球児の大多数が負けた瞬間に野球を強制終了させられるのです。
この切なさも人気の理由なのでしょう。
また、各都道府県に1校しか出場出来ないのも、大きな要素だと思います。代表校として1校しか出場出来ないので、その高校に直接関係のない人も我が県の代表として自然と応援してしまいます。
夏の甲子園大会入場者数・予選会からの参加校の推移
夏の甲子園大会の入場者数と予選会の参加校の増減を表にしました。
入場者数 | 予選会参加校 | |
40回大会(1958年) | 431,000人 | 1,807校 |
50回大会(1968年) | 594,700人 | 2,485校 |
60回大会(1978年) | 744,000人 | 3,074校 |
70回大会(1988年) | 812,000人 | 3,958校 |
80回大会(1998年) | 895,000人 | 4,102校 |
90回大会(2008年) | 890,000人 | 4,059校 |
100回大会(2018年) | 1,015,000人 | 3,781校 |
※出展 公益財団法人 日本高等学校野球連盟
こちらを見て頂ければ分かるように、甲子園大会の入場者数は100回大会で初の100万人を突破しました。
100回記念大会で甲子園参加校も過去最高でしたので、その分試合増になり入場者数もアップしたのだと思いますが、開催期間17日間で100万人の人が観戦に訪れるというのは物凄い数字ですよね。
入場者数はアップしていますが、予選会への参加校は2002年の4,163校を頂点に年々減少しています。
野球離れや少子化により、1校では人数が集まらず試合に出れない高校が近隣の高校と合同チームを作って参加したり、残念ながら廃部になったりした結果なのでしょう。
70回大会で初めて80万人を突破し、75回から79回大会で65万人~77万人と一旦減少しますが、80回大会からは20年以上一度も80万人を割ることなく推移しています。
たったの2週間ちょっとで、80万人以上の人を集めるスポーツイベントって凄くないですか。
高校球児の全力プレーに魅せられる人が多いのですね。
私もその一人です。
今後の改善点
今年の夏も異常な暑さで熱中症による被害も多発しました。
ここ数年の暑さで熱中症対策が大きな問題になってきていましたが、今年は例年以上に夏の甲子園大会の熱中症対策がクローズアップされました。
開催時期の変更や開催場所の変更、開始時間の変更など、いくつもの案が提案されていました。
予選会では実際に試合開始時間を夕方に変更した試合もありました。
熱中症の危険はプレーする選手だけではありません。
応援団やブラスバンドの方、選手の保護者や学校のOBの方、球場で観戦するすべての人に熱中症の危険があります。
私は選手よりむしろ観戦者の方がより危険であると思います。
選手は攻撃中は冷房の効いたベンチでクールダウン出来ますが、観戦者は遮るもののない場所で2時間近く居るのですから。
だからと言って、私は開催場所の変更には賛成しません。
甲子園を目指した元高校球児としては、やはり甲子園は聖地ですから。
甲子園球場で夏に開催するために、出来る限りの最善の策を検討して頂きたいです。
ここからは私からの提案です。
- 試合開始時間を7時からにする
- 1日2試合
- 開催時期を7月中旬(夏休みと同時)にする
- 球場に屋根を設置する
球場に屋根を設置するのは、甲子園の管理会社との絡みもあるためなかなか難しい事だとは思いますが、その他の3点は実施可能だと思います。
1試合2時間弱の為、熱中症の危険が高まる正午(12時)までに終わらせるためには、1日2試合の朝7時開始が良いと思います。1日2試合にする事で開催期間が大きく伸びる事になるので、8月上旬開催を7月中旬開催に繰り上げる事。
これで多少は熱中症の危険も回避できるのではないでしょうか。
賛否両論あると思いますが、個人的に提案させていただくとしたらこんな感じでしょうか。
来年の101回大会も大きな事故が無く無事に開催される事を望みます。
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